そして、武道館へ!UNISON SQUARE GARDEN「Catcher In The Spy」ツアーファイナル@中野サンプラザ


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8月に発売されたアルバム『Catcher In The Spy』を引っ提げて全国ツアーを行なっていたUNISON SQUARE GARDENが11月29日、中野サンプラザにてツアーファイナル公演を行なった。ただでさえもファイナルという特別なライヴであったこの日は、バンドにとってもオーディエンスにとってももう一つスペシャルな出来事が起こった。来年7月24日、バンド初となる日本武道館でのワンマンライヴ「LIVE SPECIAL “fun time 724″」開催が発表されたのだ。

いつものようにイズミカワソラの「絵の具」が流れ、メンバーがステージ上に姿を表す。「黄昏インザスパイ」「サイレンインザスパイ」と、アルバムの最終曲・1曲目からライヴが始まった。『Catcher In The Spy』を象徴する2曲だ。この日のユニゾンは何かから解き放たれたかのように自由に音を鳴らしていた。前のツアーと比べて、荒っぽく感じるくらいに。多分、これが本来の彼らの姿なのだろう。好きな音楽を好きなように鳴らして楽しむ。そんな単純なことが、何よりかっこよくて楽しい音楽を作り出している。

「オリオンをなぞる」「流れ星を撃ち落せ」などのアップテンポな曲を立て続けに演奏し、この日最初のMCへ。「今日はその場所を好きに使っていいから、最後まで楽しもう!」と斎藤宏介(Vo/Gt)が話す。そう、ホールだろうがライヴハウスだろうが関係ない。割り当てられた自分の席で目一杯楽しむ、それがユニゾンのライヴで唯一のルールなのだ。むしろユニゾンのライヴでは、自分のスペースがちゃんと確保できるホールは最適な環境なのかもしれない。

UNISON SQUARE GARDEN「オリオンをなぞる」Live Version at 日比谷野外大音楽堂 https://www.youtube.com/watch?v=e9x-IGFnoSE

MC後は「君が大人になってしまう前に」で斎藤の優しい歌声に浸り、次の「メカトル時空探検隊」へ。この曲では、リズムに合わせて奇妙に体をくねらす田淵智也(Ba)から目が離せなかった。ユニゾンのライヴは多分、田淵だけを2時間見つめていても十二分に楽しめるんじゃないかと思ってしまうほどに、全身で音楽を奏でるその動きは独創的だ。

「何かが変わりそう」「シャンデリア・ワルツ」と、ドライブ感溢れる2曲を演奏し、下ネタ満載のMCを挟んで「蒙昧termination」「WINDOW開ける」「シューゲイザースピーカー」と続く。「WINDOW開ける」は最近の彼らのライヴでは比較的よく耳にするように思うが、聴く度に厚みが増していると感じる。アップテンポなわけでも、変わったギミックがあるわけでもないシンプルな曲だからこそ、ユニゾンのサウンドがシンプルに伝わってくる。

ユニゾンは、ライヴの楽しみ方を決して提示しない。オーディエンスを煽ることもなければ、合唱や手拍子を要求することもない。この日斎藤は、「冷たいバンドだと思うかもしれないけど」と口にした。「でも全然逆で。思いは全部、曲に詰まってます」という、ユニゾンが貫き続けてきたその姿勢をファンはちゃんと見続けてきている。だからいつだって、「好きなように」楽しむことができる。それはオーディエンスを見れば一目瞭然だ。自分の席で狂ったように飛び跳ねている男の子がいたり(「あの人、田淵さんの生まれ変わりかなあ」と話している2人組がいたのが忘れられない)、座ったまま控えめに腕を挙げている女の子がいたり。ユニゾンを見に来るオーディエンスは、自由に音楽を楽しむ方法をちゃんと知っている。そして、それを教えてくれたのは他でもない、ユニゾンだ。

そんなMCの後に演奏されたのは「harmonized finale」。美しいピアノのイントロが会場を包み込んだ。〈君を追いかけるよ その未来まで〉と歌うこの曲ほど、この時のオーディエンスの気持ちに寄り添う選曲はなかっただろう。

UNISON SQUARE GARDEN「harmonized finale」
MVショートバージョン

しんみりと曲の余韻に浸る間もなく、鈴木貴雄(Dr)によるドラムソロに入る。この日のドラムソロ、めちゃくちゃかっこよかったし楽しかった。ドラムだけでなく、照明等がセットされていた後ろの鉄骨を叩いたり、祭太鼓のリズムを超絶アレンジしてみせたり。鈴木のスティック捌きは相当にテクニカルで、そしてエンターテインメント性に溢れていた。この日は鈴木のイヤモニの調子があまり良くなかったらしく、ライヴ中に何度か鈴木が席を外すシーンがあったが、そんな不調を微塵も感じさせない見事なドラムソロだった。

続く「天国と地獄」。アルバム発売前から各地のフェスなどで演奏されていたこの曲は、既にキラーチューンといって過言ではないだろう。この曲を聴く度に思うのだが、〈大人をなめるなよ〉という歌詞は最高にかっこいい。音楽でもなんでも、本気でやってる大人はかっこいいのである。ユニゾンもまた然り。ステージ上で全力で音を鳴らす3人は、兎にも角にもかっこいい。

UNISON SQUARE GARDEN「天国と地獄」

「カラクリカルカレ」「桜のあと(all quartets lead to the?)」「crazy birthday」とパーティー・チューンをぶちかまして、「おしまい…はこの曲!」から始まった最後の曲は「場違いハミングバード」。ステージ上で走りまわったり足を上下させたりして踊り狂う田淵に負けじと、オーディエンスも思い思いに楽曲を楽しむ。割れんばかりの大歓声の中、ライヴ本編は終了した。

「予定にはなかったんだけど、みんなが曲に合わせて手を叩いてくれたからアンコールやります!」と軽口を叩きながら、ステージ上に再登場したユニゾン。「本当にぴったり曲(会場内で流れていたSE)に合ってたよね」と笑う斎藤に、ちゃんとアンコールの手拍子を聞いてくれたんだな、オーディエンスの想いは伝わったんだな、なんてことを思って少し嬉しくなる。
アンコールは、「instant EGOIST」「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」そして「23:25」と、新旧織り交ぜた選曲で最後まで大盛り上がり。特に「instant EGOIST」、ライヴで演奏されるのは今回のツアーが初めてのはずなのに、尋常じゃない盛り上がりっぷりだった。ぜひ今後の定番曲の一つになることを願う。

そして全ての演奏が終わり、斎藤が最後の挨拶を行う。「東京最高でした!どうもありがとう!次は2015年のUNISON SQUARE GARDENの誕生日、7月24日に日本武道館でワンマンライヴをやります。また遊ぼう!」
客席からは、悲鳴に近いような大歓声が上がった。武道館の大舞台でユニゾンのワンマンライヴを見たいと、どれほど願っていたことだろうか。
この日のライヴを見て確信した。ユニゾンには、もっともっと大きな舞台が似合う。彼らは来夏、武道館でどんなに楽しいステージを見せてくれるのだろうか。期待に胸を膨らませつつ、その日を待つとしよう。
(文=小島沙耶)

●UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2014「Catcher In The Spy」
2014年11月29日 中野サンプラザ

1. 黄昏インザスパイ
2. サイレンインザスパイ
3. オリオンをなぞる
4. 流れ星を撃ち落せ
5. 箱庭ロック・ショー
6. to the CIDER ROAD
7. 君が大人になってしまう前に
8. メカトル時空探検隊
9. 何かが変わりそう
10. シャンデリア・ワルツ
11. 蒙昧termination
12. WINDOW開ける
13. シューゲイザースピーカー
14. harmonized finale
15. 天国と地獄
16. カラクリカルカレ
17. 桜のあと (all quartets lead to the?)
18. crazy birthday
19. 場違いハミングバード

<アンコール>
20. instant EGOIST
21. 徹頭徹尾夜な夜なドライブ
22. 23:25

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