【ライヴレポート】追加公演にて大団円!―UNISON SQUARE GARDEN@新木場STUDIO COAST


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2014年12月12日、新木場STUDIO COASTにてUNISON SQUARE GARDENのTOUR 2014『Catcher In The Spy』追加公演が行われた。

8月27日に発売された5th Album『Catcher In The Spy』を引っ提げ、9月13日新潟LOTSを皮切りに11月29日の中野サンプラザホールをツアーファイナルに据え、全26公演を完走したUNISON SQUARE GARDEN(以下ユニゾン)。この度の追加公演はファイナルとセミファイナルとなった中野サンプラザホール2Daysをソールドアウトさせた彼等からの“ありがとう”と“ごめんね”の気持ちが込められていた。

『Catcher In The Spy』最後の宴は「黄昏インザスパイ」からスタート。ドン、と鈴木貴雄のドラムが鳴り、すぐさま斎藤宏介のギターと田淵智也のベースが唸る。3人の音が、四角形の角と角を合わせる様に、ぴたりと重なり澄んだメロディを奏でる。そこに美しくも硬質な斎藤の歌声が重なれば、あっという間に3人による“四重奏”の出来上がりだ。続く「サイレンインザスパイ」では斎藤が渦巻く様なギターリフを掻き鳴らし、一気にロックンロールのギアを全開にする。そこから間髪入れずにキラーチューン、「オリオンをなぞる」が演奏されるとフロアは早くも〈軽くテンションMAX〉となった。

勢いを止めることなく、「流れ星を撃ち落せ」「箱庭ロック・ショー」と小気味良いポップ・ロックナンバーが披露される。「to the CIDER ROAD」では、斎藤、田淵がドラムセットを囲み、フロアに背を向ける形で演奏をスタート。曲中ではフロアから「Oh,Yeah!」の大合唱が起きた。そして「シャンデリア・ワルツ」ではついにユニゾン側のテンションも弾け、田淵がステージの端から端までを駆け回る。

ライヴもいよいよ中盤に差し掛かったところで、ユニゾンのダークサイドが顔を出す。「蒙昧termination」「WINDOW開ける」というヒリヒリとした緊張感と色気の漂う曲が並ぶ。「蒙昧termination」は、アイロニーたっぷりの歌詞を曇りの無い声で歌い上げる斎藤がサディスティックな雰囲気を漂わせ、「WINDOW開ける」のサビでは、体の芯に重力の塊を喰らったかの様な衝撃を受けた。「シューゲイザースピーカー」で重力の呪縛を解くと、MCタイムへと突入した。

「今日、カメラ入ってるでしょ。」と、斎藤。この日と中野サンプラザホール公演にはカメラが入っており、ツアーの模様を映像化する予定がある事を示唆した。その経緯について、斎藤は続けた。元々は映像化の話はなかったが、ツアーを回る中でメンバー三人があまりにも“良い顔”でライヴをしているから、とスタッフサイドから映像化の提案があったとの事だ。これには、納得だった。10月19日に行われた横浜Bay hall公演を観た時の、衝撃を今も忘れない。“ユニゾンと言えば、多くは語らずポーカーフェイス”というイメージが覆されたのだ。自らにつけたリミッターを外し、気の向くままに熱し、暴れ、快活に、そして不敵に笑う彼等の姿がそこにあった。『Catcher In The Spy』は“自分の事だけを考えて、自分の楽しみの為につくったアルバム”であり、それがスタッフやリスナーから認められた事が、確かな自信になった、と斉藤は言った。

ユニゾンは常に、リスナーに“自由”を要求してきた。ひとりひとりが、自分に合った楽しみ方で、ユニゾンの音楽を楽しむ事。彼等が願うのは、ただそれだけ。それが叶えられる為ならば、彼等は饒舌にもなったし、様々な試行錯誤もしてきた。けれど、どこかで彼等自身の自由は、二の次になっていた様にも思う。前作『CIDER ROAD』が“J-POP”というキーワードに憑りつかれていた事も然り、彼等は持前のストイックさゆえ、常に“UNISON SQUARE GARDENとは何ぞや”に頭を捻ってきたのだろう。だがしかし、彼等は、再び自らに問うた。“自分史上最高にカッコイイ、ロックンロールとは何ぞや”と。その答えが、『Catcher In The Spy』という、最高傑作と相成ったのだ。「本当に、純粋な気持ちで作ったロック・アルバムです。『Catcher In The Spy』今後ともよろしくお願いします」あまりにも飾らない、斎藤の言葉から続いた「harmonized finale」。〈I miss youを通過して どれくらいだろう/意地を張って何とかやってるつもりだよ〉。この歌い出しに、思わず目頭が熱くなった。〈たくさんの願いを乗せた〉このツアーのグランドフィナーレも、これから始まる彼等の新たなる未来への懸け橋となったことは間違いないだろう。

「オンドラムス!タカオスズキ!」の斎藤による掛け声と共に、鈴木によるドラムソロ・オンステージが始まった。激しくもテクニカル且つインテリジェンスな鈴木のドラムが炸裂。時に祭り太鼓になったり、くるりとスティックを回して見せたりとたっぷりサービスをしたところで、田淵、斎藤が再び登場。『Catcher In The Spy』随一のダンスロックチューン「天国と地獄」でSTUDIO COASTはこの日最高の熱を記録した。「crazy birthday」の終わりで「おしまい…はこの曲!」と斎藤が茶目にフェイントし、「場違いハミングバード」で本編終了となった。

アンコールを求めるハンドクラップに応えて、再び3人がステージに登場。すぐに曲に移るかと思いきや、再び斎藤によるMCが始まった。斉藤は、2日間の中野サンプラザをソールドアウトさせた喜びを語ると共に、チケットを入手できなかった者も居るという現状に言及した。その上で、更に斎藤は言葉を重ねた。「一番後ろも、ちゃんと見える様なところで、“ロックバンドはカッコイイんだ”ってことを、これからも試行錯誤して見せて行きたいと思ってますんで、良かったらまた遊びましょう!」。やはりユニゾンは頑固だ。でも、だからこそ、信用できる。彼等の音楽を聴く者たちは、音楽そのものを愛している事は勿論だが、彼等の美学を、信頼しているのだろう。

アンコール1曲目の「instant EGOIST」では完全なる〈ストップモーション〉を披露し、大いにフロアを沸かせた。ステージ後方から焚かれたスモークに包まれながらの2曲目は「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」。毎度の事だが、未音源化曲であることを忘れる程の盛り上がりを見せる。そして、約3か月にも及ぶ『Catcher In The Spy』の旅路の最後は「23:25」。鈴木のドラムが、田淵のベースが、斎藤のギターが歌が、まるでポップコーンみたいに勢いよくステージから弾け、会場の隅々まで飛んでいった。彼等の言う、“ロックバンドの楽しさ”を見せつけられた気がした。だからもしも、誰かを幸せにする“自分勝手”があるとすれば、それはUNISON SQUARE GARDENの『Catcher In The Spy』だ。来年のバンド結成記念日である7月24日には初の日本武道館ワンマン・ライヴ『UNISON SQUARE GARDEN LIVE SPECIAL“fun time 724”』の開催が決定した。そこにも、完全無敵のロックンロールがあるだろう事を、信頼して疑わない。

(文=イシハラマイ)

【セットリスト】

01.黄昏インザスパイ

02.サイレンインザスパイ

03.オリオンをなぞる

04.流れ星を撃ち落せ

05.箱庭ロック・ショー

06.to the CIDER ROAD

07.君が大人になってしまう前に

08.メカトル時空探検隊

09.何かが変わりそう

10.シャンデリア・ワルツ

11.蒙昧termination

12.WINDOW開ける

13.シューゲイザースピーカー

14.harmonized finale

[ドラムソロ〜セッション]

15.天国と地獄

16.カラクリカルカレ

17.桜のあと(all quartets lead to the?)

18.crazy birthday

19.場違いハミングバード

(アンコール)

20.instant EGOIST

21.徹頭徹尾夜な夜なドライブ

22.23:25

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確かに事件は起きていた。—UNISON SQUARE GARDEN@横浜Bay hall

http://www.entamesuki.com/?p=634

【公演情報】

「UNISON SQUARE GARDEN LIVE SPECIAL “fun time 724”」

2015年7月24日(金)東京都 日本武道館

OPEN 17:30 / START 18:30

料金:前売5400円(税込、全席指定)

→特設サイトhttp://unisons-g.com/724

【公式HP】

UNISON SQUARE GARDEN オフィシャルサイト

http://unison-s-g.com/

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