年末年始、相次ぐバンドの「活動休止」に思ったこと


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2014年末から2015年始にかけて、音楽業界には様々なニュースが駆け巡った。嬉しいニュースも残念なニュースもそれぞれあったが、中でも「活動休止」という言葉をかなり数多く目にした年末年始であったように思う。一口に活動休止と言っても、今後が待ち遠しいものから残念なものまで、短い期間に様々な活動休止が発表された。今回は、この年末年始に活動休止を発表した・あるいは活動を休止したアーティストと、それに対する筆者の雑感をまとめてみようと思う。

■多くのファンの悲鳴が飛び交った、the telephonesの活休発表
the telephones – 「Hyper Jump」

2014年12月23日。バイトを終えてTwitterを開いたら、タイムラインはこの話題一色だった。10周年となる2015年を一区切りとして活動を休止することを発表したthe telephones。今年のワンマンライヴはただ1本、5月21日に行われる初の武道館公演だけというから、そこにかける意気込みは相当なものだ。
メジャーデビューから9年間で各自の何かが徐々に蝕まれていった、と石毛輝(Vo./Gt.)は自身のブログに綴った。そこに並ぶあまりにも生々しい言葉に、少なからず衝撃を受けた。傍から見たら「カッコイイ」「楽しそう」なバンドでも、続けていくのはどれほど大変なことなのだろうか。そこにあるのは多分、私には知る由もない現実だ。
各々がバンドに対するモチベーションを見直すため、ということは、いつか再びthe telephonesというバンドを見ることはできるのだろうか。それとも、見つめ直した結果、もう戻らないという答えが出ることもあり得るのだろうか。まずは「全力を尽くす」という今年1年間を見守りたい。

■「新たな活動」への準備期間。ART-SCHOOLの活休発表
ART-SCHOOL 『革命家は夢を観る [Music Clip]』

2000年に結成したART-SCHOOLも、今年2月13日に行われる新木場STUDIO COASTでのライヴをもって活動を休止することを宣言した。昨年発売されたアルバム『YOU』が非常に良い作品だっただけに、この発表にもとても驚いた。ただ、木下理樹(Vo./Gt.)はバンドの公式サイトにて「新たな環境で活動を行うことを考えており」「その準備期間として」活動休止するとのコメントを出しており、あくまでも前向きな決断だという。
ART-SCHOOLの根暗だけど前向きな音楽は、まさに唯一無二だと思う。彼らの音楽を必要とするファンたちのためにも、「新たな環境」での活動を目撃できる日が1日も早く訪れることを祈る。

■「力不足のため」活休を宣言したさよなら、また今度ね
さよなら、また今度ね「夕方とカミナリ」MV

昨年12月31日を持って無期限活動休止に入った4ピースバンド・さよなら、また今度ね。奔放な4人それぞれの音楽が、ギリギリのところで1つの音楽になっているような、だからこそ踊らずにはいられないような音楽を奏でるバンドだ。そんなアンバランスなところも彼らの魅力だと思っていたんだけど、「メンバー各々の音楽の総合的なスキル向上のため」(公式サイトより)に彼らは活動休止に入った。
12月31日、COUNTDOWN JAPAN FESTIVALで見た彼らの活休前ラストライヴは、あまりにも楽しく幸せに溢れていた。しばらく見られなくなるのは本当にもったいないという気持ちでいっぱいだ。でも、だからこそ、「必ず帰ってくるから、それまで生きててね!」とメンバーが口にした言葉を信じて待っていようと思うのだ。休止期間にそれぞれの活動を経て、4人の音はきっとより自由奔放に進化することだろう。その音を再び聴ける日ができるだけ早く訪れることを願って止まない。

■“ただの”幼馴染に戻ることを選んだThe SALOVERS
The SALOVERS – 文学のススメ【MV&「森鴎外の『舞姫』をススメようと渡したら見事に断られた」】

初めて彼らを知ったのは、2009年の閃光ライオット。自分と1学年しか違わない彼らのライヴはすごくかっこよくて、同世代にこんなバンドがいることを誇らしく思ったものだ。
そんな彼らも、2015年3月25日に渋谷CLUB QUATTROで行われるライヴをもって活動休止することを発表した。彼らが敢えて「解散」ではなく「活動休止」という言葉を使った理由は、公式サイトで古舘佑太郎(Vo./Gt.)が綴っている。「“ただの”幼馴染でいたい」、そして「青春」を完結させたくない。あまりにも青臭いその理由は、いかにも彼ららしい。
でも。彼らのコメントを読んだ上で、それでも、彼らが「解散」ではなくて「活動休止」という言葉を使うのは、ずるいんじゃないかと思うのだ。だって、「休止」だと何だかまた彼らが戻ってくるようで、待ち続けてしまうような気がするから。だけど、多分どんなに待ってもThe SALOVERSは戻ってこない。だったらいっそ「解散」という形ではっきり終わらせてくれた方が親切ではないか。何だか別れ際の恋人のようなことを書いているが、そんなことを思ってしまう。
正直、これほど「活動休止」という言葉自体について考えさせられたことはない。だけどそんな彼らは、3月16日に久しぶりのアルバム『青春の象徴 恋のすべて』のリリースを控えている。青春という本を閉じるにはぴったりのタイトルだ。栞に使う言葉が「活休」であるにせよ「解散」であるにせよ、彼らの行く末は見届けなければならない。このアルバムの発売を、刮目して待とうと思う。

以上4バンドの活動休止について、筆者の思うところを綴ってみた。
好きなアーティストの活休というのは、ファンにとってはショックの大きいものだ。「大切なお知らせ」というアナウンスにはドキっとしてしまうし、「活動休止」という4文字が持つ威力は計り知れない。たとえそれが前向きな決断であったとしても、である。だからこそ、その言葉を使うことを決め、活動に区切りをつけることにしたバンドの行く末をきちんと見届けたいと思うのだ。
今回紹介したバンドのうち何組かは、「前向きな活動休止」であることを公言している。彼らはきっと帰ってきて、「活休」発表のショックを上回る新たな衝撃を我々に与えてくれるに違いない。その日を心待ちにしつつ、筆を置くことにしよう。

(文=小島沙耶)

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