2015年最注目。「限りなく透明な果実」ってどんなバンド?


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2015年が始まって約1ヶ月。既に「今年はこのバンドに注目!」というような特集はあちこちのメディアで組まれているし、このサイトでも「2015年ブレイクアーティストを探せ!要注目、個性派アーティスト5選!!」などの記事で様々なアーティストが紹介されてきた。

実は私にも、今年非常に注目しているアーティストがいる。
以前から好きでずっと応援していたアーティストなのだけれど、つい先日、初めての全国流通盤をリリースしたばかりなのだ。なので今回は、彼らのことを紹介しようと思う。

彼らの名前は、「限りなく透明な果実」。
2011年に結成された彼らは、フクシマサトル(Vo./Gt.)、フクシマアキラ(Ba.)、ニシカワユウスケ(Dr.)の3ピースバンドだ。

名前からも見て取れるように、アキラはサトルの実弟にあたる。ニシカワは現在、tacicaのサポートドラマーとしても活躍中だ。

一度聞いたら忘れられない、不思議な名前を持つ彼ら。もちろん、印象的なのは名前だけではない。まずはこちらの曲を聴いていただきたい。

限りなく透明な果実「halo:太陽、オレンジ」

「限りなく透明な果実」という少し変わった名前が表すように、彼らの鳴らす音楽は透明感に溢れている。でも、決して「無色透明」ではない。透き通った音楽に、曲自体の持つ淡い色と、そして聴き手の感じ取った色が添えられる。

その音色があまりにも美しいから、私は彼らの音楽から離れられないのだ。エモーショナルな音に乗せて、サトルの澄んだ声で歌われるのは、「君に会いにいく」という強い決意の歌。

「こんな世界に興味はないから 信じたもんは全部置いてきた」、それでも、そんな世界に生きている君にだけは会いたい。強くて温かな感情を歌い上げるこの曲は、不思議な懐かしさを感じさせる。遠い昔にどこかで見た風景を思い出すかのような、そんな感覚に、胸の奥が熱くなる。

ミニアルバム発売日の1月14日に渋谷キノトで行われたレコ発ライヴでも、この曲はアルバム同様1曲目に演奏された。

彼らのライヴは時に、神々しさすらも感じられる。何かが降臨したんじゃないかって思うくらいに激しく、3人は楽器をかき鳴らし、歌を歌う。曲にぎゅっと込められた物語を爆発させるかのようなそのエネルギーに、聴き手は強く引き込まれてしまうのだ。

果実の曲は、1曲1曲が強い物語性を持っている。そしてその物語は、4~5分の1曲の中では完結していない。

例えば、ミニアルバムの6曲目に収録されている「ウッドペッカー」。ライヴでは特に盛り上がりを見せるこの曲では、夏のある日の探検隊の様子が歌われている。

彼らがどうして旅に出たんだろうとか、これからどこを目指しているのだろうとか、そういうことは歌詞にはあまり書かれていない。

だけどきっと、この歌に出てくる探検隊はずっとずっと旅を続けていると思うのだ。果実の曲は、それを想像させる奥行きを持っている。そして聴き手は、完結していない物語を自分と重ね、想像することができる。

彼らは、YouTubeにもう1曲MVを公開している。

限りなく透明な果実「カンパネルラ」

「カンパネルラ」というタイトルにピンと来た人もいることだろう。この曲の題材は、宮沢賢治の小説「銀河鉄道の夜」だ。

間奏での爆発は、たった3人で鳴らしている音だとは到底思えないほどのエネルギーだ。

「いびつな道をゆけ」と歌うこの曲の歌詞は、限りなく透明な果実というバンド自身を象徴しているような気がしてならない。

サトルは自身のTwitter(@satoru_ktk)で、以下のように語っている。

「俺らは基本アナログ回路です バントにはスタッフも音楽会社もついていません。それ故すごく悔しいこともあります。でもメンバー3人が歯車 弟は腹立つし西川くんはドラム馬鹿だけどなんとかやれてます。限りなくなんとかってのはそういうバンドです」

一筋縄ではいかない道なのかもしれないけど、それでも彼らは進むのをやめない。強い意思を持って歌い、前へ前へと進み続ける。

グライダーで大空を飛ぼうとした男の名を冠したミニアルバムとともに、果実の音楽は多くの聴き手のもとへと飛び立った。

どこか懐かしくて切なくて、それでいて力強い、果実ならではの世界。彼らの音楽が今年、多くの人の心に届くことを願ってやまない。

なお、彼らは2月14日からリリースツアーで全国各地を回る。
MVを見て興味を持った方は、ぜひお近くのライヴハウスに足を運んでみてほしい。

(文=小島沙耶)

限りなく透明な果実 mini album “LILI&HAL(リリエンタール)” リリースツアー

2月14日(土)東京都 渋谷club乙-kinoto-
2月20日(金)大阪府 天王寺Fireloop
2月21日(土)徳島県 club GRINDHOUSE
2月27日(金)宮城県 enn 3rd
3月 6日(金)東京都 下北沢Daisy Bar
3月13日(金)京都府 京都MOJO
3月15日(日)兵庫県 ART HOUSE
4月10日(金)愛知県 CLUB ROCK’N’ROLL

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