閉店が発表された「残響shop」、あなたは行ったことがありますか?


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音楽ファンなら、残響レコードという名前はほとんどの人が知っているだろう。People In The Box、cinema staff、ハイスイノナサ、mudy on the 昨晩など個性的なアーティストを多数擁するレーベルだ。

そして、もう少しコアな音楽ファンであれば残響shopというCDショップのことも知っているはずだ。残響レコード直営のCDセレクトショップで、現在はcinema staffの辻友貴が店長を務めている。様々な音楽との出会いを求めて、足を運んだことがある人も少なくないだろう。

その残響shopが先日、今年の5月10日をもって閉店することを発表した。1人の残響shopファンとして、非常に残念な思いである。今日はこの場を借りて、残響shopとの思い出を振り返りつつ、なぜ残響shopが人気を集めたのか考えてみよう。

■「音楽を選ぶ」楽しみ
残響shopの最大の特徴の1つが、タイトルもアーティスト名も分からない状態で音源を聴く「ブラインド試聴」だ。番号だけの振られたサンプルCDの中から、音源の特徴が書かれたポップや店員さんの助言だけを頼りにディスクを選び、試聴する。

もし気に入ったら、購入すればそこで初めてその音源の正体を知ることができる、というシステムだ。もちろん、ピンと来なければそのまま棚に戻すだけである(ただし、この場合そのアーティストや音源の詳細は永遠に謎のままになる)。

私自身、このシステムのおかげで購入した音源がたくさんある。ブラインド試聴だと、どうにも財布の紐が緩むのだ。今を逃したら二度と聴くことができないかもしれないと思うと、脊髄反射で「これ、買います」と言ってしまう。恐ろしくも、楽しいシステムだ。

人との出会い同様、音楽との出会いも一期一会である。何も知らずに音だけと向き合うことで、まっさらな気持ちでその一期一会を楽しむことができるのではないだろうか。

■店員さんとのコミュニケーション
もう一つの特徴が、店員さんとコミュニケーションを取りながら音源を選べることだ。
残響レーベルに所属する好きなアーティストのCDを買うのも良いが、ブラインド試聴でもそれ以外の音源でも、店内には見知らぬ音楽が山のようにある。そういう音楽との出会いを探さないのは、あまりにももったいない。かと言って、大量の音源の中から自分に合いそうな数枚を選んで試聴するのは至難の業だ。

そこで何よりの羅針盤になるのが、店員さんとのコミュニケーションである。「激しいやつが聴きたい」「ゆったりしたのが良い」なんて漠然としたイメージを伝えるも良し、好きなアーティストを伝えて系統の近い音源を薦めてもらうも良し。どんな要求をしてもちゃんと応えてくれるから、安心してムチャぶりできるのが楽しい。

ちなみに、筆者が先日「意味の分からない音源を教えてください」と尋ねて薦めてもらったのが、こちらのアーティストだ。なるほど、最高に意味がわからない(褒めてます)。

COgeNdshE – 錯乱

■何時間でもいられる居心地の良さ
これはもう、本当に感覚的な話になってしまうけれど。残響shopはとても居心地の良い空間だと思う。ちょっと暇つぶしにと思って行って、ふと気がつくと2時間も経っているような、そんな場所だ。

店員さんもお客さんも、その場にいる人は音楽が好きな人達だけ。「音楽好きに悪い人はいない」とまでは言わないが、それでも、同じ趣味を持った人が集まる空間というのはそれだけで不思議と心地良いものだ。音楽好きの友達の家に行くような感覚が近いだろうか。友達の家で、片っ端から気になったCDを聴いていくような、そんな感覚で足を運べる店だと思う。

以上のような特徴は、もしかしたら個人経営のCDショップやレコード屋では珍しくないことなのかもしれない。でも、筆者のように普段はタワレコでしかCDを買わないという人にとっては、小さなお店は何となく入りづらい。

残響shopは「残響レコード」が運営していて、そこに行けば少なくとも間違いなく自分の好きな残響所属アーティストの音源やグッズはあるから、という点で、なんとなく足を踏み入れやすかった。

閉店まで、あと2ヶ月。今からでも遅くない。興味がある人はぜひ訪れてみてはどうだろうか。
(文=小島沙耶)

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