勝地涼のデビュー・シングル『お風呂はぬるめの勝次郎』がめちゃくちゃ面白い


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近年、多くの俳優・女優がCDデビューを果たしている。「2足のわらじ」とそれを嫌がる人もいるかもしれないが、演者としての彼らが楽曲を”演じる”様子には鬼気迫るものがあり、個人的には「あの俳優がCDデビュー!」というニュースを目にすると「一体どんなものに仕上がっているのだろう」と興味津々になる。

7月15日に発売されたとある俳優のデビューCDは、そんな期待のはるか斜め上を行く超名作であった。アーティスト名は「勝 勝次郎」、曲名は「お風呂はぬるめの勝次郎」である。

一目瞭然だとは思うが、「勝 勝次郎」とは、俳優・勝地涼のことだ。様々なドラマや映画に出演して人気を集め、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞したこともある実力派である。そんな彼の、タイトルからしてイロモノ感満載なデビュー・シングル。しかし、ただの面白ソングと言い切ってしまうには、製作に参加しているアーティストが豪華すぎる。

タイトル曲「お風呂はぬるめの勝次郎」の作曲者は横山剣。2曲目「ドラゴン気取りのティーンネイジ・ブルース」はYO-KING作曲、そして3曲目の「下駄を鳴らしてセプテンバー」は向井秀徳作曲だ。しかも、「下駄を鳴らしてセプテンバー」はフィーチャリングに中島美嘉を迎えている。このとんでもなく豪華な面々を迎えた楽曲のプロデュースを行ったのが、脚本家・宮藤官九郎。「あまちゃん」「流星の絆」などの人気作のほか、グループ魂の活動でもおなじみだろう。

今作の歌詞は、宮藤のレギュラー番組「宮藤官九郎のオールナイトニッポンGOLD」内の人気コーナー「宮藤官九郎の一行から始める作詞講座」から生まれたものだ。このコーナーでは、テーマに沿ってリスナーから毎週1~2行の作詞を募る。それを組み合わせ、曲を完成させるのである。言葉を巧みに操り、人を惹きつける物語を生み出す宮藤官九郎に惹かれたリスナーたちの織りなす言葉は、これまた奇天烈かつ強烈なものばかりだ。

勝 勝次郎 『お風呂はぬるめの勝次郎』Short Ver.
https://www.youtube.com/watch?v=_yf2naWTjrc

まず、タイトル曲の「お風呂はぬるめの勝次郎」。曲調は、コテコテの演歌だ。妙に耳に残るメロディを歌い上げる、渋い声。勝地涼はこんな素敵な声で歌うのか!と楽しむ暇もなく、インパクト抜群どころかむしろインパクトしかない歌詞が襲い掛かってくる。1番はひたすら胸の話しかしないし、2番の破壊力もすさまじい(是非、1度目は歌詞カードや歌詞のサイトを見ないで聴いていただきたい)。

勝地本人もインタビューで話していたが、一体彼がどこに向かっているのかさっぱり分からない。頭のセリフでにやけてしまったら最後、「おっかさ~~ん!」という叫びと共に曲が終わるまで口角が下がることはないだろう。ちょっと凹んだ気分の時に聴いても、きっと笑顔になれる1曲だ。

続いて、YO-KING作曲の「ドラゴン気取りのティーンネイジ・ブルース」。この曲のアーティスト名義は「涼 the graduater」だ。アーティスト名とともに、楽曲の雰囲気もがらりと変わる。歌詞は相変わらず、ものすごいインパクトだ。

しかしこの曲、面白いのに、どこか切ない。メロディの美しさも勿論だが、勝地の声がとても良い。”ティーンネイジ”ならではの葛藤や哀愁が滲み出る。さすが、演技派俳優。サビ部分は本当に美しい名曲だ。それだけに、「オロゴン!オロゴン!」の合いの手の威力が半端じゃない。

最後に収録されている「下駄を鳴らしてセプテンバー」は、「ラブ地涼 feat. 中島美嘉」名義。この楽曲は、なんとヒップホップである。中島と勝地の掛け合いが楽しい。歌詞が何を言いたいんだかはよく分からないけど、中島美嘉ってこんな曲をこんな歌い方で歌うのか、と驚いた。なんともピースフルで、”わっしょい”な1曲だ。

演歌に、ロックに、ヒップホップ。何の一貫性もない3曲が、宮藤の言葉を借りると「我らが勝地くんの場合、逆に一本筋が通ってしまった」。勝地涼は、別にものすごく歌が上手いわけではない。しかし、得も言われぬ味のある声を持っており、その声でそれぞれの曲に絶妙な色を与えている。俳優・勝地涼の振り幅を存分に楽しめるこの1枚、勝地涼のことが少しでも気になる人なら買って損はない。

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