【ロッキン初日】ヘッドライナー[Alexandros]の「今まで」と「これから」


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8月1日・2日、そして8日・9日と、ひたち海浜公園にてROCK IN JAPAN FESTIVALが開催されている。今年も昨年を上回る人数がひたちなかを訪れており、とても暑い夏になっているようだ。

筆者も8月1日にROCK IN JAPAN(以下ロッキン)に参戦してきた。印象的なアクトはいくつも見られたのだが、中でも、思い入れも相まって非常に感動的なライヴを見せてくれたアーティストがいる。初日のトリを務めた[Alexandros]だ。個人的に大好きなバンドの一つであり、ひたちなかでもそれ以外の場所でも、何度もライヴを見たことがある。今回は「夜」のロッキンで見た彼らの話をしたいと思い、筆を執った。

[Alexandros]がロッキンに出演したのは2010年。彼らが初めて立ったのは、一番小さいステージであるWING TENTだ。当時「来年は絶対GRASS STAGE(ロッキン最大のステージ)に立ってみせます!」と豪語した彼らだったが、その翌年に立ったのはFOREST STAGEだった。爽やかな雰囲気を持つFOREST STAGEで行われたアクトは非常に心地よいものではあったが、もちろん彼らはそこでも満足しなかった。それは彼らが、あくまでも、最大のステージである「GRASS STAGE」を目標としていたからだ。

そんな彼らが、目指してきた大舞台に初めて立ったのが2013年。しかし、誤解を恐れずに言えば、当時の彼ら(まだ[Champagne]という名前だった)のライヴを見た筆者の感想は「彼らに大きなステージはまだ似合わない」。

[Champagne]はライヴハウスで何度も見たことのある大好きなバンドだったけれど、その日の彼らはどこか、大きなステージを持て余しているように見えた。ライヴハウスで、小さなステージで見る方が何倍も良いライヴをしていると感じたし、「無理に大きいステージを目指さなくても」とすら思った。

しかし、昨年再びGRASS STAGEに立った彼らは、前年の頼りなさを微塵も感じさせないバンドに進化していた。「改めまして、初めまして[Alexandros]です!名前変わっちゃいました!」と挨拶状を叩きつけた彼らのステージは、とんでもない熱を持っていた。2013年に「彼らに大きなステージは似合わない」なんて思ったことはすっかり忘れ、彼らの鳴らす音楽に熱狂した。

さて、ロッキンで最大のステージであるGRASS STAGEだが、中でも「夜」の時間は特別だ。ヘッドライナーがステージに立つその時間帯、ひたちなかの景色は夕焼けから夜へと移り変わる。その空の色をバックに演奏できるのも、日が落ちてすっかり暗くなったステージで美しい照明を自在に使用できるのも、各ステージで1日にたった1組だけ。ヘッドライナーだけに許された特権といえる。

「夜」のアクト、特にGRASS STAGEのヘッドライナーを目指すアーティストは少なくない。[Alexandros]は、ずっとその目標を公言してきたアーティストだった。順調に大きなステージへと進んできた彼らが、また一つ目標を達成したのが、今年8月1日のアクトだったのだ。

暮れかかった空の下、舞台上に現れた彼ら。まず、出だし3曲の流れがとても良かった。「ワタリドリ」の楽しげで幸せなメロディに乗ったどこか物哀しい歌詞は、暗くなりかかった空によく映えていた。

そして、「Waitress, Waitress!」が昼間と夜の時間帯を繋げていく。「it’s my pleasure to be with you and you tonight(今宵諸君と共に過ごせる事を光栄に思う)」という歌詞は、これから始まるアクトへの祝杯のように響いた。さらに続けて演奏されたのは、[Champagne]時代から揺るがぬ人気を誇る「city」。歌詞にも「Night」という言葉が出てくるこの曲は、夜の街を舞台にした曲だ。オーディエンスも拳を上げ、どんどん高揚していく。

フェスでは、「代表曲の詰め合わせ」のようなセットリストになるバンドが多いように思う。決してそれが悪いというわけではない。誰もが耳にしたことのあるようなシングル曲や有名な曲を演奏した方が盛り上がるのは、一つの事実だ。しかし、この日の[Alexandros]は多くの曲を最新アルバム『ALXD』から演奏した。

それだけ、彼らは自分たちの「今」に自信を持っているのだと思う。川上洋平(Vo./Gt.)の、「俺たちのことを知らない人も、今日で全員虜にしてみせます!」という言葉はその表れだと感じた。

そんな最新作から「Dog 3」、そして前作『Me No Do Karate.』収録の「Kick & Spin」と続け、次に彼らが演奏したのは「Leaving Grapefruit」。ロッキンの主催者に捧げると言って演奏されたこの曲は、川上の話していた通り、橙から群青へと表情を変える空の色によく似合う。1日に1度だけ、この時間にしか見ることのできない、極上の演出だ。

川上はこの日珍しく、ロッキンのスタッフや、JAPANの編集スタッフへ名指しでの感謝を口にした。ステージ上で内部の話をするのは好まないと言いつつも、多くのスタッフの名を挙げた[Alexandros]。それだけ、初めてのヘッドライナーに感極まっていたのだろうか。GRASS STAGEが、温かな拍手に包まれる。

そこから「ラスト3曲ついてきてくれますか!」と、『ALXD』に収録された「Famous Day」「Run Away」「Adventure」が演奏された。真っ暗な空に浮かぶ派手な照明を武器に、[Alexandros]の音楽が美しく浮かび上がる。特に最後の「Adventure」のコーラスはあまりにも美しく、いつまでも聴いていたいと思う程だった。

盛大なアンコールに応えてステージに再登場した4人。最後に演奏されたのは、「ワタリドリ」のワンフレーズ…からの、「Starrrrrrr」だ。夜空に浮かぶ満点の星のようなその曲は、大きなステージとたくさんのオーディエンスを完全に虜にしていた。

[Alexandros]が「夜のGRASS STAGEに立ちたい」と言い続けてきたのは、決して大言壮語なんかではなかった。そして、この日も彼らが口にした「自分たちが目指しているのは世界だ」という言葉もきっと同じなのだろう。今は大言壮語に思えるけれど、いつかきっと彼らはその目標を達成する。この日のアクトを見て、そんなことを改めて思った。

ちなみに3月に発売されたシングル『ワタリドリ』はRUSH発売前ランキングで3位と高い注目を集めていました。
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