【ロッキン最終日】ゴスペラーズが教えてくれた「アカペラの魅力」


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2週間にわたって土日に行われたROCK IN JAPAN FESTIVALが、先週閉幕した。

今年も、様々なアクトが見られた。ひたち海浜公園に足を運んだ人がそれぞれ、自分の中での「ベスト・アクト」があることだと思う。筆者は初日と最終日の2日間の参戦だったのだが、先日紹介した[Alexandros]のライヴも良かったし、初日に観た中では椎名林檎もとても良かった。

また、最終日のLAKE STAGEで大トリを務めたandropのライヴも素晴らしかった。しかし、「ベスト・アクト」はなにかと訊かれたら、筆者は迷わず「ゴスペラーズ」だと答える。

20周年をむかえたゴスペラーズだが、ROCK IN JAPAN FESTIVAL(以下、ロッキン)に出演したのは今回が初めて。おそらく、ロッキンに参加した多くのオーディエンスにとって、今回のステージが初めてゴスペラーズに生で触れる機会となったことだろう(実際、ライヴ中にメンバーが「ライヴを見るのが初めての人、拍手してください!」と問いかけた時にも、大きな拍手があがっていた)。

筆者は以前、彼らのライヴを数曲だけ観たことがあったのだが、その時の彼らはバンドをバックに歌うという形態をとっていた。まして今回は、周囲はギターやドラムなどで大きな音を鳴らすアーティストばかり。

てっきり、ゴスペラーズもバンドを引き連れてアップテンポな曲を多めに届けてくるのかと思いきや、開始時刻になってステージ上に現れたのはメンバー5人のみ。ギターも、ドラムも、ベースも、一切無い。マイクで増幅された5つの声だけで、彼らはロック・フェスのステージに立ったのだ。

しかし、彼らは一瞬でオーディエンスの心を掴んだ。
まず、代表曲の「永遠に – a cappella-」「ひとり」。美しいメロディとハーモニーが、PARK STAGEの火照った空気をやさしく冷ましていく。ここがロッキンの会場だなんてことを忘れてしまうくらい、穏やかな時間が流れていく。

アカペラで「勝負」に挑む旨をリーダーの村上てつやが伝えると、会場から大歓声が起こる。大半の人にとってこの日が「アカペラ」に生で触れる初めての機会だったと思うが、この日ゴスペラーズは自分たちの歌を通して、とても丁寧に「アカペラ」の魅力を教えてくれた。CMソングでお馴染みの「ウイスキーが、お好きでしょ」そして美空ひばりのカヴァー「真っ赤な太陽」と、次々と歌ってオーディエンスの耳を釘付けにしていく。

「真っ赤な太陽」では、中盤で「うちにはドラムも、ベースもいるんです!」と煽ったのが最高にカッコ良かった。目に見える楽器がなくたって、これだけカッコイイ音楽を奏でることができるのだ。

もう一つ印象的だったのが、1曲終わるごとにオーディエンスから大歓声と盛大な拍手が起こっていたことだ。もちろん、どのアーティストの演奏でも大きな歓声と拍手は起こっていたけれど、この時間ゴスペラーズに向けられたそれは、他のアーティストへのものとは少し違っていたように思う。

聴き惚れたような溜め息と、初めて耳にした「アカペラ」というジャンルへの感嘆が入り混じったその歓声は、ゴスペラーズがオーディエンスを一瞬で虜にしたことを何より雄弁に物語っていた。

「こういう曲調好き」では、彼らが普段のライヴで行っている「なりきりゴスペラーズ」が行われた。これは文字通り、オーディエンスがゴスペラーズになりきってハーモニーに参加するというものだ。

この曲、実はシングルのカップリングとして収録されたもので、ややマイナーな楽曲。しかし、メンバーと一緒に美しいハーモニーを奏でたことで、オーディエンスはゴスペラーズやアカペラへの親近感を高めることができたのではないだろうか。

次いで、オーディエンスに手拍子を求めて歌い始めたのは「いろは」、そして最後の曲は「星屑の街」。暑さのピークを過ぎ、夕方の時間にさしかかったPARK STAGEに、美しいハーモニーが涼しげに響く。

欲を言えば、この曲は夜空の下で聴きたかった。真っ暗になった空の下で歌われる「今夜連れてゆくよ ごらん 星屑の街へ」というフレーズは、どんなに美しく響いたのだろう、と思ってしまう。もし来年もゴスペラーズがロッキンに出演してくれるのであれば、是非その時間帯にこの曲を聴かせたい。しかし、暮れかけた空に響くハーモニーもとても幻想的で、情緒たっぷりだった。

今や、「ロック・フェス」に出るのは「ロックバンド」だけではない。ロッキンにも毎年、テレビで活躍するポップスターも、アイドルも含め、様々なアーティストが出演する。

この日初めての出演となったゴスペラーズも「ロックバンド」ではないが、自らの得意とするアカペラで勝負に出て会場を魅了するその様子は、紛れもなくロックだった。筆者にとって、彼らのライヴを目撃できたことが今回のロッキンで一番の収穫だったと言っても過言ではない。来年は、一体どんなアクトとの出会いがあるのだろうか?まだまだ先の話ではあるが、今から楽しみでならない。

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