年越しを一緒に迎えたい、フェスならではのBIGMAMAの魅力


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幕張メッセで開催される大型冬フェス、COUNTDOWN JAPANは今や「年末フェス」の代名詞である。今年も既に出演アーティストおよびタイムテーブルが発表されており、どうやって回ろうかと今から考えている人もいることだろう。
中でも毎年、どのアーティストを見ようかと最も迷うのが年越しの瞬間ではないだろうか。しかし私はすでに、今年のカウントダウンを共に迎えるアーティストを決めている。BIGMAMAだ。ワンマンにも何度も足を運んでいるし、もともと好きなバンドの一つではあるのだけれど、私はとにかくフェスで見る彼らが大好きなのだ。今日は改めて、BIGMAMAというバンドと、彼らがフェスで見せる魅力を紹介しよう。

BIGMAMA “Sweet Dreams” MV

BIGMAMAは、金井政人(Vo/Gt)、リアド偉武(Drums)、柿沼広也(Gt/Vo)、安井英人(Bass)、東出真緒(Strings)から成る5人組。金井の紡ぎ出すエモーショナルな楽曲と、そこに絡む東出の美しいヴァイオリンが最大の特徴だ。CDJをはじめ、各地のフェスでもお馴染みのバンドである。今年の夏、ROCK IN JAPAN FESTIVALにて最終日LAKE STAGEの大トリを務めたことも記憶に新しい。

今年はシングル『Sweet Dreams』に加え、コンセプト・アルバム『Roclassick2』を発売した彼ら。この『Roclassick2』が、とっても楽しい1枚なのだ。誰でも一度は耳にしたことがある「白鳥の湖」「歓喜の歌」などのクラシックの名曲が、BIGMAMA流の“ロック”に料理されているのである。

元の曲の雰囲気をそのまま残しているものもあれば、ちょっとびっくりするような変貌を遂げた曲も収録されている。例えば6曲目の「bambino bambina (エルガー『威風堂々』)」。荘厳な「威風堂々」が軽快に生まれ変わっている。「威風堂々」といえば卒業式でよく耳にする曲だ。そのメロディに載せて無邪気に〈子供でいたいのいつまでも〉なんて歌われているんだから、ちょっとドキッとしてしまう。金井政人、恐るべし。

YouTubeにMVがアップされている「Swan Song (チャイコフスキー『白鳥の湖』)」は、原曲の美しさを残しつつも違った表情を楽しめる1曲だ。ヴァイオリンと絡み合うバンドサウンドによって、聴き手は〈鮮やかに〉夢の世界へと誘われていく。ちょうど原曲で、王子が白鳥の湖に見惚れてしまったように。

BIGMAMA “Swan Song (チャイコフスキー『白鳥の湖』) “(MV)

 さて、ようやく本題である。BIGMAMAの魅力がフェスの舞台で際立つ1つ目の理由は、彼らがどんな舞台でもすぐに自分たちのものにしてしまう力を持っていることだ。

 BIGMAMAの曲には、オーディエンスが金井や柿沼と声を合わせて歌うパートが多い。そして、ワンマンライヴにBIGMAMAを見に来るオーディエンスは、当然ほとんど全員がBIGMAMAのファンだ。ファンなら曲を知っているんだから、要所要所でシンガロングが起こるのは必然である。

 しかし、フェスはそうではない。よく知らないアーティストのステージに通りすがりに立ち寄るのは珍しいことでも何でもない。それでも、BIGMAMAのステージでは必ず大合唱が起こるのだ。それも、後ろの方まで、みんな笑顔で。中には曲を知らない人だっていると思う。それでも自然と口ずさんでしまうのは、彼らの曲がそれだけ美しいからではないだろうか。

「until the blouse is buttoned up」ではタオルを掲げてシンガロングするのがお決まりだが、それはフェスでも変わらない。観客がそれぞれ思い思いのアーティストやイベントのタオルを掲げてメロディを口ずさむ光景は、他では見られないほどピースフルだ。

BIGMAMAをよく知っている人もよく知らない人も関係なく、幸せな雰囲気で包み込んでしまう。それが彼らの持つ最大の魅力であり、それを最も体感できるのがフェスという空間なのである。

BIGMAMA “until the blouse is buttoned up” PV_LIVE Ver.

 2つ目の理由を探るヒントは、金井政人のMCにある。2012年の年末、金井はCDJのステージでこんなことを話していた。「毎年、この場所をご褒美だと思っている」。オーディエンスと同じように、あるいはそれ以上に、BIGMAMAというバンドはフェスのステージを楽しみにしているのだ。きっと他のアーティストだって同じようにライヴを楽しみにしているのだろうけれど、金井はいつだって、飾らない言葉でそれをきちんとオーディエンスに伝えてくれる。そういえば昨年末も、「どんなアーティストよりも一番楽しみにしていた自信があります」と話していた。彼の言葉の選び方はとてもまっすぐだ。だから、オーディエンスの心にもまっすぐに届くのだ。

 おそらく、BIGMAMAというバンドは愚直なまでに音楽を愛しているのだろう。だけど、きっとあまり器用ではないんだと思う。だから言葉を飾ることもせず、感じたことをそのまま口に出しているのではないだろうか。そしてそれは、彼らのアクト自体にも当てはまる。全身で音楽を楽しみ、楽器をかき鳴らす。演者が楽しんでいなければ、そしてそれが伝わらなければ良いライヴは生まれない。フェスという非日常空間を“一緒に”楽しんでいるという感覚を誰よりも味わわせてくれるのが、BIGMAMAというバンドなのである。

そんなBIGMAMAとカウントダウンをして、年明け一発目にはこの曲が聴けたら嬉しいなと思っている。毎日生きている中では、どうしたって嫌なことや悲しいことを避ける事はできないけれど、年始くらいは頭の中を〈空っぽ〉にしてBIGMAMAと一緒に高く跳べたら、きっと良い一年になるって思えるような気がするのだ。

BIGMAMA / Mr. & Mrs. Balloon feat. GEROCK

曲を聴けば聴くほど、ライヴに足を運べば運ぶほど、BIGMAMAほど人間くさいバンドは居ないんじゃないかと思う。そしてそれが、多くのファンが彼らに親近感を持ち、愛さずにはいられない一番の理由なのだろう。年越しの瞬間、ステージ上のメンバーはどんな表情を見せてくれるのか、そしてオーディエンスの私達はどんな表情でその時を迎えるのか、今から楽しみでならない。
(文=小島沙耶)

☆☆☆☆☆☆
BIGMAMAの前作「Sweet Dreams 」は発売日 2014/2/26で 
オリコン登場週20位 5,719枚

口コミ数の推移は 
3/20週 4534 
3/13週 4772
3/06週 5171
2/27週(発売週) 5477
2/20週5300  
2/13週 4758
2/06週 4640
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